そして流れつく本

 本と人との結びつき -

にて読み終わった本を気に入ってくれそうな知人に渡す喜びについて書いたが、最近自分もその恩恵を受けることができたので書くことにする。

 

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質

フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~

 

 これはヒロコのほうが気に入りそうだから、なんて姉から渡されたこの本を見てびっくりしてしまった。

本屋へ足しげく通う方なら最近目にしたことのある方も多いんじゃないかと思う。

わたしも同じく、目に留まっては立ち止まりぱらぱらと流し読みした一人である。

しかしこの手の本は非常に当たりはずれのあることは身を持って知っている。

なんとなく買う気分になれず、でも気になりつつそのままにしていた本を人から差し出されたので本当に驚いた。

姉もなかなか読書家で、特に美容や自己啓発の類のものに強い。

そしてわたし同様「これはあの人のほうが気に入りそう」な本を上手いタイミングで手渡してくれたのだ。

今まで人へ渡したことはあっても人から渡されたことはなかったので感動してしまった。

自分より他人に合う本を放流し続けることで自分にも合う本が流れついてくれたような心持。本との結びつきを一層強く感じた出来事だった。

ちなみに本の中身は自分で予想していた以上に気に入った。

「なんか鼻につくんだよな」と思うこともあるが、それもパリ流と見れば仲良くやっていける気がする。

流行を追う毎日に疑問を持ち、本質的な美を求める女性には嬉しい提案をたくさんしてくれる本だ。

これを読んだ姉が「あいつなら気に入りそうだな」と思ってくれたのもまた嬉しい。

しかしこのタイトル、これこそ「シックじゃない」と言ってしまいたくなる。

原題の「Lessons from MADAME CHIC」が日本で売り出された途端にこうなってしまうなんて、まぁなんらかのシックな事情があったのだろう。