アルケミスト

 

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

 

ある作家が自分の人生に影響を与えた本を挙げており、その中にパウロ・コエーリョ著の「アルケミスト」はあった。わたしはその作家の本だけでなく生き様が素敵だと感じていたので、この本を図書館で見つけたときにはすぐ飛びついた。

アルケミスト錬金術師という意味だ。主人公の羊飼いの少年は自分の見た夢に従って旅をする。その旅の中で沢山の人々と出会い、沢山の生き様を目にしながら進むのだ。人々の話す言葉はどれもが宝石のように輝いている。王様や砂漠で生きる人々など、わたし達には想像しづらく思えるひとりひとりの存在が胸を打つ。

夢に見たものを目指して前へと進む少年をずっと見ていたくなる物語だった。本を読んでいる間は世界中の大切な宝物を、目の前で丁寧に見せてもらっているような気分になった。

前兆に注意を払うこと、そして大いなることば。

この本を読んだことのない人にとって何のことかさっぱりだろう。でも読めば誰にでも理解出来る。現に世界中で翻訳されている大ベストセラーだ。わたし達が希望を持っている限りこの本はずっと一緒にいてくれる。